アートリエ編集部が、夏の暮らしを彩るおすすめの絵画について詳しく解説します。
夏の絵画は鮮やかな色彩や光の表現によって、暑い季節の風景や情緒を美しく映し出します。爽やかな海辺や太陽の下で咲く花々、のどかな田園風景など、見るだけで夏を感じられる作品はインテリアとしてもおすすめです。
この記事では、暮らしを彩る夏の絵画を12点厳選して紹介します。また、夏の絵を描いた世界的に有名な画家と、代表作も併せて解説します。この記事を読めば夏にぴったりの絵画をみつけられるので、涼し気なアートを探している方は、ぜひ参考にしてみてください。
夏の絵画を描いた有名な画家
夏の絵画を描いた有名な画家は、以下のとおりです。
- パウル・クレー
- エゴン・シーレ
- サルバドール・ダリ
- クロード・モネ
- フィンセント・ファン・ゴッホ
- パブロ・ピカソ
中には、聞いたことがある画家も多くいるでしょう。それぞれの代表作を詳しく紹介します。
パウル・クレー
パウル・クレー(1879-1940)はスイス出身の画家で、銅版画家です。
表現主義、キュビズム、シュルレアリスムなどに影響を受けた個性的なスタイルが特徴の芸術家です。パウル・クレーの絵画には、子どものような視点やユーモラスさ、バイオリニストの経験から湧き出る音楽性が反映されています。
「帆船のある港」は港に帆船が停泊している様子が、パウル・クレーらしい色彩と線で表現された作品です。
パウル・クレーについては、こちらの記事で詳しく解説しています。興味がある方は、ぜひ合わせて読んでみてください。
エゴン・シーレ
出典:Artpedia「ひまわり」
エゴン・シーレ(1890-1918)は、20世紀初頭の絵画界に大きな影響を与えた人物で、オーストリアの画家です。極端にねじれた体型や表情豊かな線など、特徴的なスタイルを表現した自画像は、美術史上高く評価されました。また、ねじれた身体造形は日本の漫画家にも影響を与えているといわれています。
1911年に描かれたとされる「ひまわり」は、ゴッホやクリムトが描いたひまわりからインスピレーションを受け彼自身の解釈で描いたとされています。
エゴン・シーレについては、こちらの記事で詳しく解説しています。興味がある方は、ぜひ合わせて読んでみてください。
サルバドール・ダリ
出典:Artpedia「記憶の固執」
サルバドール・ダリ(1904-1989)は、キュビズムやダダイズムに影響を受け、シュレアリスムなどを手がけたスペインの画家です。代表作「記憶の固執」で有名なサルバドール・ダリは、シュレアリスムの巨匠と呼ばれています。
作品においては幻想的で挑発的な独自の世界観を持ち、絵画だけでなく彫刻や写真、デザインなどさまざまな才能が発揮されました。サルバドール・ダリは心理学の影響を受け、潜在意識や夢をイメージ化することに関心を持ち、作品にも反映されています。
「記憶の固執」に出てくる溶けるように柔らかい時計は、太陽の下で溶けるカマンベールチーズの知覚に触発されたといわれています。
サルバドール・ダリについては、こちらの記事で詳しく解説しています。興味がある方は、ぜひ合わせて読んでみてください。
クロード・モネ
出典:ポーラ美術館「ヴァランジュヴィルの風景」
クロード・モネ(1840-1926)は印象派の創始者で、フランスの画家です。代表作には「睡蓮」があり、自然に対して自分が認識した感覚を表現するといった、基本的な印象派哲学を貫き実践したといわれています。
また、クロード・モネは日本の浮世絵から影響を受けた構図も多いといわれており、「ヴァランジュヴィルの風景」も西洋絵画には珍しい構図となっています。青い海と空に向かって開かれた高台、それを遮るように描かれた背の高い木々が、絶妙な夏らしさを演出する1枚です。
クロード・モネについては、こちらの記事で詳しく解説しています。興味がある方は、ぜひ合わせて読んでみてください。
フィンセント・ファン・ゴッホ
出典:ファン・ゴッホ美術館「糸杉のある麦畑」
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)は、オランダのポスト印象派の画家です。ゴッホは、近代美術の代表の1人とみなされ、20世紀初頭の前衛芸術家たちに大きな影響を与えたとされています。
わずか10年の創作期間で約2100点以上の作品を制作し、そのうち約860点は油彩作品です。作品の大半は、37歳で亡くなるまでの約2年間に制作されました。また、日本の浮世絵に影響を受けており、浮世絵師の渓斎英泉や歌川広重の作品においては模写も残しています。
こちらの作品では、夏のプロヴァンスの風景が描かれています。糸杉やオリーブの木が点々と生える風景は、夏の日差しと暑さを感じさせる作品です。ゴッホはこれを「最高作」と評し、同じ構図で3点を制作しました。
ゴッホについては、こちらの記事で詳しく解説しています。興味がある方は、ぜひ合わせて読んでみてください。
パブロ・ピカソ
出典:ピカソ美術館「ザ・ベイザーズ」
パブロ・ピカソ(1881-1973)は、20世紀の芸術家に最も影響を与えた1人で、キュビズム運動の創設者でもあります。画家・彫刻家・版画家・陶芸家・舞台美術・叙情詩・劇作など、ピカソの芸術スタイルは幅広く発揮されました。
代表作にはキュビズムを推進した「アヴィニョンの娘たち」や、ドイツ空軍やイタリア空軍がスペイン市民を爆撃した光景を描いた「ゲルニカ」などがあります。「ザ・ベイザーズ」は浜辺に座る女性を描いた絵で、カラフルな水着や青空が夏らしさを際立たせます。
パブロ・ピカソについては、こちらの記事で詳しく解説しています。興味がある方は、ぜひ合わせて読んでみてください。
海をイメージした夏の絵画
ここからは、海をイメージした夏の絵画を紹介します。涼しげな海を描いた、さまざまな表現方法をお楽しみください。
はじまりの夏
アーテスト:下田健太
第62回豊中市立美術展日本画の部に入選した、風景画です。
作品ストーリー:作者が20代の時に九州〜四国へ1人旅をした際、四国の愛媛県の瀬戸内海側にある、下灘駅を見た時にインスピレーションが湧いて制作された作品です。
レンタル価格:月額3,800円
夏の行き先、
アーテスト:下田健太
作者の地元、神戸市三宮のセンター街にある「ナガサワ文具センター本店」で個展をした際に展示した作品です。
作品ストーリー:友ヶ島行きのフェリー乗り場付近。奥行きのある風景が描かれています。作者が日帰り旅行で訪れた際に撮った写真の中でも、特にお気に入りの写真を選び描いています。
購入価格:85,000円
レンタル価格:月額3,800円
Shed summer skin
アーテスト:kumi.ando
全6作品からなる【Shed summer skin】シリーズです。6つのシリーズでひとつの音楽となっており、セクションごとに歌詞と作品が連動しています。Aメロからアウトロまで6セクションの歌詞の情景を、視覚的に表現されている夏の絵画です。
作品ストーリー:夏の終わりから秋に移ろう色や風や温度を目と耳で感じてもらえたら嬉しいです。ぜひInstagram(Instagram @kumi.ando)から音ありで再生してみてください。
夏の風景画
ここからは、どこか懐かしさを感じるような、夏の風景画を3点紹介します。
日本の夏 〜住む〜
アーテスト:下田健太
2017年10月フランスのパリにある、カルーゼル・デュ・ルーヴルにて開催された「ART SHOPPING」で展示された作品です。
作品ストーリー:伝統的な日本の姿である”住(住居)”がモチーフとして描かれています。今はなき農村地帯に沢山あった、茅葺き屋根の住居に視点を向けました。作品のテーマは、岐阜県大野郡白川村の山奥にある白川郷です。世界遺産にも登録されている合掌造りと、この夏の時期にしか目にすることが出来ない日本の夏の風景をコンセプトに描いています。
購入価格:150,000円
レンタル価格:月額3,800円
風を呼ぶ二人
アーテスト:下田健太
「風を呼ぶ二人」では奈良県橿原市のおふさ観音で、夏の時期に開催される「風鈴祭り」が涼し気に描かれています。
作品ストーリー:風鈴のガラスを表現するのが難しかったです。
購入価格:25,000円
レンタル価格:月額3,800円
幕開け
アーテスト:下田健太
「幕開け」は作者の地元、神戸市三宮のセンター街にある「ナガサワ文具センター本店」で個展をした際に、展示された作品です。
作品ストーリー:地元の自治会のお祭りの様子を制作しました。背景には、夏の夜空に打ち上がった打ち上げ花火が描かれています。
こちらの作品は、照明を消して鑑賞することで、打ち上がった花火が薄っすら光って見える仕組みです。
購入価格:85,000円
レンタル価格:月額3,800円
風景画についてはこちらの記事でも紹介しているので、ぜひ併せてご覧ください。
植物がモチーフの夏の絵画
ここからは、植物がモチーフとなっている夏の絵画を紹介します。
夏の草むら
アーテスト:ふじもとまなみ
「夏の草むら」は、色鮮やかな草木が描かれた風景画です。
作品ストーリー:夏のある日の散歩中に見た草むら。生えている草たちも暑そうに見えました。
購入価格:5,000円
夏の色
アーテスト:藤本俊英、Kazenotomo
「夏の色」は、夏の象徴であるひまわりが、大胆に描かれた作品です。
作品ストーリー:残暑を振り返る時必ずそこへ佇んでいる風景。何かを語りかけてくれる姿に、思い出が沢山詰まっています。
購入価格:135,000円
レンタル価格:月額3,800円
蓮(ほ)
アーテスト:MATOBA MASATAKA
「蓮(ほ)」は、優しい色合いとタッチで描かれた蓮の花です。
作品ストーリー:今年の夏も、毎日のように早朝の蓮池に通い、スケッチをしました。白くて大きな花はひときわ目を引き魅入ってしまいます。岩絵具で表現する蓮の美しさを感じて頂ければ幸いです。
購入価格:12,000円
レンタル価格:月額3,800円
おしゃれな花の絵は、こちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
かわいい夏の絵画
ここからは、色鮮やかでかわいい夏の絵画を紹介します。
海のテラスにて
アーテスト:山口香代子
「海のテラスにて」は、絵の表面が味わいのある質感で部分的に艶感があり、光の加減によって違う見え方を楽しめる1枚です。環境によっては、色味が若干異なる場合があります。直射日光があたらない場所に飾って楽しんでください。
作品ストーリー:海辺で夏をしのんでます。
購入価格:80,000円
レンタル価格:月額3,800円
星と森
アーテスト:KATO SHOKO
「星と森」は側面にも絵の具が施されているため、額がなくても様になる1枚です。アクリル絵の具で描かれているので耐光性はありますが、直射日光が常にあたる場所での保管は避けた方が良いでしょう。
作品ストーリー:1度見て美しさに驚愕した天の川をイラストにしたいと思い、たくさんの星が光る夏の夜空をイメージして制作されました。和紙を使ったり、にじみをきかせたり、何度も色を重ねながら繊細に仕上げています。
購入価格:24,500円
レンタル価格:月額3,800円
そよ風が吹いている
アーテスト:Mamiko Okubo
「そよ風が吹いている」は色合いが特徴的な1枚で、南国風な雰囲気を楽しめます。
作品ストーリー:夏のビーチで吹くそよ風をイメージした作品です。爽やかさのあるトロピカルな色は晴れやかな気分にしてくれます。優しい風の質感や流れを意識して制作しました。
購入価格:18,000円
まとめ
この記事では、アートリエ編集部が厳選した夏の絵画12選を紹介しました。鮮やかな色彩は、見ているだけで元気をもらえます。暮らしを彩る夏の絵画を、ぜひご自宅で楽しんでみてはいかがでしょうか。
アートリエではアートに関する情報を発信しています。アートのことをもっと知りたいという方は、こまめにウェブサイトをチェックしてみてください。
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