アートリエ編集部が、レストランに飾る絵画(アート)について詳しく解説します。
レストランにおいて、絵画やアートは単なる装飾ではなく、料理とともに「体験」を形づくる要素のひとつです。店に足を踏み入れた瞬間の印象や、食事中に感じる雰囲気は、空間全体のつくり方によって大きく左右されます。
一方で、「どんなアートを選べば店舗の雰囲気に合うのか」「世界観を壊さずに取り入れられるか」と悩む方も多いのではないでしょうか。作品そのものの良し悪しだけでなく、コンセプトや空間との関係性を考えることが重要になります。
本記事では、レストランのコンセプトに合わせた絵画の選び方や、空間演出としてのアートの考え方を整理します。タイプ別の取り入れ方にも触れながら、店舗の個性を引き立てるヒントを紹介します。
レストランに絵画(アート)を飾るメリット

レストランに絵画やアートを飾ることで得られるメリットは以下の7つです。
- 雰囲気を演出できる
- 高級感が出る
- 空間を広く見せられる
- SNSによる拡散で集客に期待できる
- リピーターが増える
- ブランディングできる
- インスピレーションを刺激する
順に見ていきましょう。
雰囲気を演出できる
絵画は、レストランの雰囲気の演出に大きく関わる要素のひとつです。
暖色系の絵は温かく親しみやすい空間を生み出し、寒色系はクールかつ洗練された印象を演出するなど、1枚の作品を飾るだけで店内の印象は大きく変わります。
モダンで洗練された雰囲気を求めるならシンプルな絵画、落ち着いた居心地の良さを重視するならフレームに入れた絵画が効果的です。
作品の色調や抽象画・風景画・静物画などを店舗のコンセプトにあわせて選ぶことで、メニュー以外でもお客さまに店の個性を視覚的に伝えられるでしょう。
高級感が出る
絵画を取り入れることで、空間に上質さや落ち着きを感じさせる演出がしやすくなります。絵画を配置することで、空間全体のグレードがアップし、アートギャラリーのような洗練された空間を生み出せます。
明るいトーンの店舗には同系色の作品、落ち着いた空間には深みのある色調の作品を選ぶことで、統一感のある高級感が生まれます。
こうした視覚的な演出によって、お客さまに上質な体験をしてもらうことで、店舗への信頼感と満足度を高められるでしょう。
空間を広く見せられる

作品の内容やサイズによっては、店内の空間を広く感じさせる効果が期待できます。
お客さまがリラックスして食事を楽しむには、開放的な空間づくりが不可欠です。窓のないレストランや小規模な店舗では、風景画を飾ることで奥行きが生まれ、圧迫感を軽減できます。
こうした工夫により、限られたスペースでも快適で開放的な雰囲気を作り出すことが可能です。
SNSによる拡散で集客に期待できる
現代では、魅力的な空間や作品などを見つけるとSNSで共有する方が多いです。思わず写真に収めたくなるようなユニークな作品を設置することで、投稿が拡散され、新規顧客の獲得につながる可能性があります。
リピーターが増える
印象に残る空間体験は、再来店を検討する際の記憶として残りやすくなります。
お客さまが入店して最初の数秒で感じる印象は、店舗全体の評価を左右すると言われています。そのため、壁面に飾られた作品は自然と視界に入り、店舗のコンセプトと調和していれば、雰囲気とマッチするでしょう。
季節ごとに作品を入れ替える工夫をすることで、訪れるたびに新鮮な発見があり、「次はどんな空間が待っているだろう」といった期待感を生み出せます。日本の掛軸文化のように、四季ごとに作品を入れ替えることで、リピーターを増やせる可能性があります。
ブランディングできる
アートは、店舗の世界観や価値観を視覚的に伝える手段のひとつになります。店舗のロゴの色味と調和した作品や、特定の文化やストーリーを反映したアートを選ぶことで、他店との明確な差別化につながります。
一貫性のあるアート選びはブランドイメージの確立につながり、お客さまの記憶に残る独自の世界観を作り上げる助けとなるでしょう。
インスピレーションを刺激する
アートには、空間に彩りを加えるだけでなく、人の心に豊かさをもたらす効果が期待できます。
単調な壁面は殺風景で寂しげな印象を与えますが、アートを飾ることで視覚的な刺激が生まれ、お客さまの感性を豊かにします。店内の雰囲気に調和した作品を配置することで、料理と空間が一体となった総合的な体験を提供できるでしょう。
こうした心理的効果は、店舗全体の雰囲気を和やかにし、より質の高いサービス提供を後押しします。
レストランに絵画(アート)を設置するときのポイント

絵画をレストランに効果的に設置するためには、以下のポイントを押さえる必要があります。
- 場所によってサイズを変える
- 一貫性を持たせる
- 照明を考慮する
- 季節に合わせて作品を変える
- 定期的にメンテナンスする
1つずつ見ていきましょう。
場所によってサイズを変える
絵画の効果を最大限に引き出すには、設置場所に応じた適切なサイズ選びが重要です。
壁面の大きさや形状とのバランスを考慮せずに作品を選ぶと、大きすぎれば圧迫感を生み、小さすぎればインパクトが失われます。
エントランスや待合スペースなど広い壁面には大型作品や複数作品の組み合わせ、テーブル席の壁には小ぶりな作品を配置することで、空間全体に調和が生まれます。
適切なサイズの絵画を配置することで、統一感のある洗練された空間を作り出せるでしょう。
一貫性を持たせる
店舗のコンセプトと統一感のある絵画を選ぶことで、ブランドイメージが強化されます。
テーマに沿った作品選びは、お客さまにより深い印象を与え、店舗の世界観を明確に伝える効果があります。
たとえば、海をテーマとするレストランなら貝をモチーフにした絵画や港町の風景画、モダンなレストランなら高級感のある絵画を選ぶことで、空間全体の調和が生まれるでしょう。
色彩やデザインの方向性を揃え、インテリア全体との整合性を保つことで、記憶に残る一貫した店舗体験を提供できます。
照明を考慮する

照明は、絵画の魅力を最大限に引き出すための重要な要素です。適切な光の配置により、作品の色彩や質感が美しく際立ちます。
スポットライトで作品を直接照らせば印象的な存在感を、間接照明を活用すれば影による立体感を演出できます。ペンダントライトやダウンライトなど、照明器具の種類を工夫することで作品がより魅力的に映え、作品が引き立つことで、空間全体の雰囲気も整いやすくなります。
季節に合わせて作品を変える
季節やイベントに応じて絵画を入れ替えることで、特別な空間を演出できます。春は花をモチーフにした明るい作品、冬には雪景色や温かみのある色調の作品を飾るなど、四季の移ろいを視覚的に表現することで、お客さまに季節感を届けられます。
こうした変化は、お客さまに「次はどんな作品が飾られているだろう」といった期待感を抱かせ、イベントや季節のテーマを自然に伝えられるため、空間づくりの一環として取り入れやすい工夫です。
定期的にメンテナンスする
絵画を気持ちよく展示し続けるためには、定期的な点検や手入れも大切です。額縁やガラス面の汚れを確認したり、吊り具の緩みや劣化をチェックしたりすることで、見た目の印象を保ちつつ、安全面にも配慮できます。
清潔で美しく保たれた作品は、店舗全体の品質やサービスに対する信頼感を高めます。
額縁やガラス面の状態も定期的に確認し、必要に応じて修繕や交換を実施するようにしましょう。また、吊り具の緩みや劣化をチェックし、落下などの事故を未然に防ぐことも大切です。
レストランにマッチする絵画(アート)の選び方

レストランに絵画を取り入れる際は、作品単体の魅力だけでなく、店舗全体の雰囲気との関係性を意識することが大切です。ここでは、レストランにマッチするアートを選ぶための基本的な考え方を整理します。
- 店舗の雰囲気に合わせる
- 食欲をそそる作品を選ぶ
それぞれ解説していきます。
店舗の雰囲気に合わせる
アートを選ぶ際は、店舗のコンセプトやインテリアとの調和を重視するのがおすすめです。
たとえば、海岸近くにあるレストランなら海や港町をモチーフにした作品、シンプルでおしゃれな空間には色数を抑えた抽象画などが適しています。
店舗から連想されるテーマに沿った作品を選ぶことで、コンセプトが視覚的に強化され、お客さまは料理と空間の両方を楽しめます。
食欲をそそる作品を選ぶ
レストランでは、料理を引き立てる視覚的な要素としてアートを考えるのもひとつの視点です。
赤やオレンジなどの暖色系は、人間の脳が「食べ物」と認識しやすく、食欲増進効果があるとされています。また、ドリンクやデザートに関する作品を飾ることで、お客さまの注文を促す心理的効果も期待できます。
椅子の背面や壁の一部に暖色を効果的に取り入れるなど、コンセプトと調和させながら配色を工夫することで、食事体験をより豊かにできるでしょう。
レストランに絵画(アート)を設置する方法

レストランに絵画を取り入れる方法としては、大きく分けて「購入」と「レンタル」の2つがあります。展示期間や運用のしやすさ、空間づくりの方針によって、向いている方法は異なります。
購入は、作品を店舗の資産として長期間展示できる方法です。店舗の象徴となるアートを据えたい場合や、コンセプトを長く変えない場合に向いています。
一方で、作品の管理や入れ替えがしづらくなる点や、一定額を超える場合には会計上の扱いに注意が必要なケースもあります。導入前に、運用面も含めて検討しておくと安心です。
レンタルは、一定期間ごとに作品を入れ替えながら展示できる方法です。季節やイベントに合わせて空間の印象を変えたい場合や、試しながらアートを取り入れたい場合に向いています。
保管スペースやメンテナンスの負担を抑えやすい点も、日々の店舗運営と両立しやすいポイントです。
アートリエでは、レストランのコンセプトや空間に合わせて、最適な作品の選定から導入まで、すべてサポートしています。レンタル・購入のいずれの場合でも、予算や店舗の雰囲気、設置場所ごとに、5,000点の作品の中から最適なアートを提案することが可能です。
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レストランに絵画(アート)を飾る注意点

レストランは飲食を提供する空間のため、絵画を設置する際には、いくつか配慮しておきたいポイントがあります。
- 湿度と温度
- 油やにおい
- 紫外線・照明
それぞれ解説していきます。
湿度と温度
厨房からの湿気や温度変化は、作品の状態に影響を与えることがあります。
理想的な保管環境は温度20℃前後、湿度40〜50%とされています。レストランでは厨房の熱や蒸気の影響を受けやすいため、調理エリアから離れた場所に作品を配置するなど、急激な温湿度変化や理想的な保管環境からの著しい乖離を避けることが重要です。
また、外壁側は結露による湿気の影響を受けやすいため避け、エアコンの風が直接当たらない位置を選びましょう。
除湿機や加湿器を活用して温度・湿度を適切に保つことで、作品を良好な状態で維持できます。
油やにおい
調理中の油はねや食材のにおいは、作品に影響を与えることがあります。特に、中華料理店など油を多用するレストランでは作品に油が付着しやすく、汚れの蓄積によって美しさが損なわれる恐れがあります。
可能であればキッチンや調理エリアの直近は避け、客席エリアなど調理場から十分に離れた場所に配置することが重要です。どうしても調理エリア付近に飾りたい場合は、額装の使用を検討したり、コーディングされている絵画を導入しましょう。
紫外線・照明
直射日光や強い照明は、作品の色味に影響を与える場合があります。
特に、窓からの直射日光は影響が大きいため作品を日陰に配置するか、UVカット効果のあるカーテンを使用して紫外線を遮断しましょう。
また、UVカット効果のある額装や照明を使用したり、UVカットフィルムを活用したりすることで作品への負担を抑えやすくなります。
照明についても、過度に強い光が当たらないよう配置を工夫するとよいでしょう。
【レストランのタイプ別】絵画(アート)の選び方とおすすめの作品

レストランは、提供する料理や価格帯、来店シーンによって求められる雰囲気が異なります。そのため、絵画やアートも店舗のタイプに合わせて選ぶことで、空間の印象がより明確になります。
ここでは、代表的なレストランのタイプ別に、空間づくりの考え方とアートの取り入れ方を紹介します。
- 和風レストラン
- フレンチレストラン
- イタリアンレストラン
- チャイニーズレストラン
1つずつ見ていきましょう。
和風レストラン
和風レストランには、日本の伝統美を感じさせる日本画の作品が最適です。富士山や桜などの和のモチーフは風水的にも縁起が良いとされ、店舗の運気を高める効果も期待できます。
また、金箔を使用した作品やゴールドの色味を使った作品は、和の空間に気品とゴージャスさを加えて高級感を演出します。現代的にアレンジされた抽象画でも、落ち着いたトーンを選べば和モダンな雰囲気にマッチするでしょう。
和風レストランにおすすめの絵画(アート)
Etude #14 (Fixed Window)

アーティスト:清水佳代子
サイズ:19.8cm(縦)x 14.8cm(横)
購入価格:5,500円
レンタル価格:3,800円
作品ストーリー:Etudeは美術用語で特定のテーマや技術を研究するためのスケッチやドローイングを指します。
これらはタブロー作品の前身であり閃きを書き留めるスケッチ、あるいは削ぎ落とし、研ぎ澄ますための習作です。タイトルには音楽用語としてのetudeと同じく作品としての価値をあわせ持つという意味も込められています。
紙にアクリル絵具で描いたこちらの習作を、特別価格としてご提供しております。実物の絵を身近に感じながら、アートを生活の一部として楽しんで頂けましたら幸いです。
※Fixed Window=嵌め殺し窓のこと。固定された、開かない窓を意味します。あなたが見る窓の向こうには、どんな世界が広がっていますか?
フレンチレストラン
フレンチレストランには、エレガントで非日常感を再現できる作品が適しています。
ホワイト・ゴールド・ネイビーといったエレガントな色調の作品を選ぶことで、高級感と落ち着きが生まれます。これらの色味は、大理石やベルベット生地などのインテリアとも相性がよく、高級感のある空間に仕上がります。
さらに、照明もシャンデリアや間接照明を活用することで、明るく華やかな印象をプラスできるでしょう。
フレンチレストランにおすすめの絵画(アート)
Dancing flowers No.145

アーティスト:川西郁美
サイズ:45.5cm(縦)x45.5cm(横)
購入価格:35,200円
レンタル価格:3,800円
作品ストーリー:踊るように咲く花をイメージして描いた花の抽象画、『Dancing flowers』シリーズ。
歌い出したり、踊り出したいような気持ちを、絵の具とお花に託して表現しています。
水彩・アクリル用のキャンバスを使っており、普通のキャンバスより紙に描くような滲みの表現ができ、鮮やかで軽やかな風合いになっているのが特徴です。
色鉛筆、オイルパステル、紙粘土のような質感の盛り上げ剤や、ラメの入った絵の具なども使って、見ていて飽きない工夫をしています。作品が届いたら、ぜひ近くでマテリアルの違いもじっくり見てみてください。
イタリアンレストラン
イタリアンレストランには、明るく活気のある作品が適しています。
テラコッタオレンジ・オリーブグリーン・ワインレッドなど、イタリアを連想させる暖色系の色彩を取り入れることで、温かみと親しみやすさが生まれます。
これらの色味の絵画は、木材やレンガといった自然素材の内装やオープンキッチンと調和しやすく、心地よい空間を作り出せるでしょう。
イタリアンレストランにおすすめの絵画(アート)
豊穣の祈り

アーティスト:神之浦由美
サイズ:46cm(縦)x58cm(横)
購入価格:132,000円
レンタル価格:5,700円
作品ストーリー:透明水彩と作家自身がオリジナルで制作しているパステル、JESUSPASTEL(ジーザスパステル)の混合技法で水彩キャンバスに描いた静物画です。
何ものっていない天秤の右側には鑑賞者にとって大切な何かを思い浮かべることで、人それぞれに作品をお楽しみいただけます。
原画に合わせた高級感あるアンティークブラウンの木製フレーム付き。作品の保護にも災害時にも安心の全面UVカットアクリル仕様です。
チャイニーズレストラン
チャイニーズレストランには、中国の伝統美や縁起の良いモチーフを取り入れた作品が適しています。龍や鳳凰などをモチーフとした絵画は、壺や仏像の置物との調和性が高く、空間に統一感が生まれるでしょう。
また、赤や金などの中国で縁起が良いとされる色を使った作品を取り入れることで、ゴージャスで特別感のある空間を作り出すことが可能です。
チャイニーズレストランにおすすめの絵画(アート)
吉龍祥雲

アーティスト:idogaeru
サイズ:19cm(縦)x 27cm(横)
購入価格:38,500円
レンタル価格:なし
作品ストーリー:「今という可能性」をテーマに、過去と未来、二つの側面からその姿を表現する作品を制作しています。
過去には、これまでの経験によって積み重ねられた多様な可能性があり、
未来には、これからを築いていくための未知なる可能性が広がっています。
この両方の可能性に目を向けることこそが、今をより輝かせるのだと信じ、制作に臨んでいます。
まとめ

この記事では、レストランに絵画やアートを取り入れるメリットや、選び方の考え方、設置時のポイントについて解説しました。
レストランにおけるアートは、単なる装飾ではなく、料理とともに空間の印象を形づくる要素のひとつです。店舗のコンセプトや価格帯、来店シーンに合った作品を選ぶことで、空間の世界観がより伝わりやすくなります。
また、絵画の選び方や配置の工夫によって、記憶に残る体験や、店舗らしさを感じてもらうきっかけにもなり得ます。無理に目立たせるのではなく、空間全体との調和を意識することが大切です。
本記事を参考に、自店舗のコンセプトに合ったアートの取り入れ方を検討してみてください。
アートリエでは、レストランのコンセプトや空間に合わせたアート選びについて、レンタル・購入の両面からご相談を承っています。展示場所や雰囲気、運用方法などを踏まえながら、導入をサポートします。
「どんなアートが合うか整理したい」「まずは話を聞いてみたい」といった検討段階でのご相談でも問題ありません。お気軽にお問い合わせください。










