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2023.11.22

人物を描いた世界の有名な絵画|人物画の魅力と代表的な作品

人物を描いた世界の有名な絵画|人物画の魅力と代表的な作品

人物画は、描く人の思いや感性が表現される、奥深いジャンルの1つです。時代ごとに技法や表現に違いがあり、その時代の風潮や人々の感情などを垣間見ることができます。一概に人物画といっても、数え切れないほどの名画があり、それぞれを見て理解していくのは難しいものです。

そこでこの記事では、ルネサンス様式から始まり、シュルレアリスム様式までの人物画の風潮や表現技法について一挙紹介します。代表作についても詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

代表的な人物画の作品【ルネサンス様式】

アテナイの学堂

はじめに、ルネサンス様式の代表的な人物画の作品について紹介します。

ルネサンス以前に描かれた絵画では、キリスト教の絵画や装飾写本が一般的であり、作風の形式が決められていました。いわゆる人物は平面的で無表情な顔つきをしており、彫像のような表情でした。また、絵の中に空間や背景が描かれることは少なく、描かれていたとしても平面的な建物に、人物は宙に浮いたような描かれ方でした。

しかし、ルネサンス期になると人物は写実的で情感豊かになり、空間との関係性も構築されるようになります。背景や建物にも奥行き(空間)が表現されており、人物に関しても大地に足がついた状態で描かれるようになったのです。

ここからは、ルネサンス様式の代表的な人物画を以下の2作品から紹介します。

  • モナ・リザ
  • ヴィーナスの誕生

それぞれの絵画の特徴や作者について詳しく見ていきましょう。

モナ・リザ

モナ・リザ
作者名レオナルド・ダ・ヴィンチ
所蔵ルーヴル美術館
制作期間1503~1506年頃
寸法77 cm × 53 cm (30 in × 21 in)
種類ポプラ板に油彩

モナ・リザの作者は、世間でも有名なレオナルド・ダヴィンチです。1452年に生まれ、フィレンツェで名を挙げていた画家であり、彫刻家のヴェロッキオに弟子入りしました。その環境で、ダヴィンチは絵画などの芸術を学び、金属加工や機械工学など幅広い分野で才能を開花させました。

モナ・リザが制作されたのは1503年から1506年頃と言われていますが、実際には世を去る直前まで軽微な修正を加えていたとも言われています。

そんなモナ・リザは、1〜2ミクロン単位の絵具を何層も塗り重ねることで立体感を表現する、「ぼかし技法」で描かれた作品です。人物の輪郭をはっきりと描く方法が主流だった当時、ぼかし技法を用いた人物画は革新的で世間を驚かせました。

また、ダヴィンチの扱うぼかし技法では、99%の鉛白に1%の赤色硫化水銀ヴァミリオンという赤の顔料が混ぜられており、これが発色の良さを出しているとされています。描かれたモナ・リザの顔は、まるで生きているかのような立体感・リアリティーが表現されています。

さらに、背景では「空気遠近法」という技法が用いられています。この技法は、色彩や色調をコントロールすることで遠近感を出すというものです。対象物が近いほど、色彩を濃く輪郭もはっきりと描き、逆に対象物が遠くにあるほど、かすんだ輪郭で描いています。

ダヴィンチはこの原理を利用して、手前の岩山を暖色系ではっきり描き、奥にある岩山を寒色系でぼかして描いています。また、人物の髪や服にさらに濃い暖色系の色を使用することで、より一層奥行きが感じられるようになっています。

ヴィーナスの誕生

ヴィーナスの誕生
作者名サンドロ・ボッティチェリ
所蔵ウフィッツィ美術館
制作期間1480年代半ば
寸法172.5 cm × 278.5 cm (67.9 in × 109.6 in)
種類キャンバスにテンペラ

ヴィーナスの誕生の作者は、サンドロ・ボッティチェリです。質素な家庭で育てられた彼は、フィリッポ・リッピの工房で修行を積み、レオナルド・ダ・ヴィンチとも出会っています。

フィレンツェという繁栄都市でキリスト教美術だけでなく、ギリシャ神話などをテーマにした作品も制作しています。

そんな彼の代表作が、ヴィーナスの誕生です。女神ヴィーナスが海の中から出現するギリシャ神話の一節が描かれています。古典的な写実主義的表現ではなく、装飾的な表現で女性の神秘性や美しさを表現しています。

ルネッサンスの最盛期を告げる名画の1つとして、世界中の人々からよく知られている作品です。

代表的な人物画の作品【マニエリスム】

長い首の聖母

ここからは、マニエリスムを紹介します。マニエリスムとは、16世紀中ごろから末期に使われたヨーロッパの芸術様式のことです。イタリア語で「手法」「様式」という意味を持つ「マニエラ(maniera)」が語源となっています。

マニエリスムは、ルネサンスの最盛期からバロック初期までの期間に数多く制作され、遠近法の使い方や空間の表現の仕方に特徴があります。この期間の作品は、宗教改革やローマ略奪などを背景とした、人々の不安感が表現されていることが特色です。

ここでは、マニエリスムの代表作でもある「枢機卿フェルナンド・ニーニョ・デ・ゲバラの肖像」を紹介します。

作者や作品について詳しく見ていきましょう。

枢機卿フェルナンド・ニーニョ・デ・ゲバラの肖像

枢機卿フェルナンド・ニーニョ・デ・ゲバラの肖像
作者名エル・グレコ
所蔵メトロポリタン美術館
制作期間1600年頃
寸法171 cm × 108 cm (67 in × 43 in)
種類キャンバスに油彩

「枢機卿フェルナンド・ニーニョ・デ・ゲバラの肖像」の作者は、エル・グレコです。彼は1541年クレタ島のイラクリオに生まれ、イタリアを経てスペインに渡り、トレドで暮らしていました。

彼の作品のおよそ85%が聖人画を含む宗教画であり、10%は肖像画です。また、彼は絵画だけではなく、彫刻や建築の構想も手掛けていたことでも知られています。

そんな多彩な彼の代表作が、「枢機卿フェルナンド・ニーニョ・デ・ゲバラの肖像」です。モデルとされる枢機卿フェルナンド・ニーニョ・デ・ゲバラは、1596年に枢機卿になり、異端審問所長官として名を馳せました。ゲバラは短期間ではありますがトレドに滞在し、その滞在期間にトレドに住んでいたエル・グレコがこの作品を描いたと考えられています。

本作では、寛大そうな容貌で人物が描かれており、凶暴な審問官のイメージとは異なる表情です。しかし、作風は巧妙なテクニックで赤衣を描き、寛大な容貌の中には厳しく鋭い眼光が覗き、普遍的な性格と個性が見事に表現されています。

代表的な人物画の作品【バロック様式】

バッカスの勝利

ここからは、バロック様式で描かれた人物画について紹介します。バロック美術は、1600年代〜1700年代初頭までの間に発展した美術様式です。

そもそもバロックとは「ゆがんだ真珠」を意味し、ヨーロッパで主流だったルネサンス様式から派生した表現技法として、批判的に使われていた用語でした。

ルネサンス様式は均衡の取れた優美さが特徴でしたが、バロック様式ではカトリック教会への反発などを経て、ダイナミックな動きや明暗の強調、臨場感のある「バロック」様式へ移行していったのです。

バロック様式では宗教や神話を題材にした絵画だけでなく、風景画・風俗画・静物画・一般市民の肖像画も登場するようになりました。

ここでは、バロック様式の代表的な作品を以下の3作品から紹介します。

  • マルタ騎士団員の肖像
  • 34歳の自画像
  • 真珠の耳飾りの少女

それぞれの絵画の特徴や作者について詳しく見ていきましょう。

マルタ騎士団員の肖像

マルタ騎士団員の肖像

引用:Wikimedia Commons

作者名ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ
所蔵パラティーナ美術館
制作期間1600年頃
寸法
種類

「マルタ騎士団員の肖像」は、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオによって描かれました。カラヴァッジョは1571年イタリア・ミラノで生まれ、信仰心の篤い人々が暮らした町カラヴァッジョで育ちました。13歳で画家シモーネ・ペテルツァーノに弟子入りし、17歳頃までペテルツァーノのもとで修業を積みました。

そんな彼の代表作の1つが「マルタ騎士団員の肖像」です。ローマで人を殺めてしまい、逃亡中だったカラヴァッジオは、マルタ騎士団に庇護を求め公式画家となりました。描かれている精悍な顔つきの男は、マルタ騎士団の騎士の一人です。

晩年の作品は、画家の精神性を表すように、闇がより深く描かれており、見るものの心を奪うでしょう。

34歳の自画像

34歳の自画像

引用:Wikimedia Commons

作者名レンブラント・ファン・レイン
所蔵ロンドン・ナショナル・ギャラリー
制作期間1640年
寸法91 cm × 75 cm (36 in × 30 in)
種類油彩、キャンバス

「34歳の自画像」は、レンブラント・ファン・レインによって描かれました。レンブラント・ファン・レインは、17世紀のオランダの画家であり、卓越した技術で光と影を描いています。生涯で絵画など約80点にもおよぶ自画像を生み出しており、その中で「34歳の自画像」は最も有名なものの1つです。

画中でレンブラントが身に纏っている衣装は、当時のものではなく、ルネサンス時代の宮廷人が身に纏う高貴な衣服であり、100年以上前の服を着ていることになります。当時のコスプレは、ルネサンス期の巨匠たちの作品を意識していたとも考えられています。ルネサンスへの圧倒的な憧れが垣間見えるのも、彼の作品の見どころと言えるでしょう。

真珠の耳飾りの少女

真珠の耳飾りの少女
作者名ヨハネス・フェルメール
所蔵マウリッツハイス美術館
制作期間1665年頃
寸法44.5 cm × 39 cm (17.5 in × 15 in)
種類キャンバスに油彩

「真珠の耳飾りの少女」は、多くの方に知られる有名な作品であり、オランダの画家・フェルメールによって制作されました。

フェルメールなどの多くの画家が活躍した17世紀は、「オランダ黄金時代」と呼ばれています。商人や中流階級が画家たちを積極的に援助し、美術は大いに盛り上がりました。その黄金時代で、フェルメールは女性をモデルとした数々の作品を残しています。その中でも「真珠の耳飾りの少女」は、代表作品といえるでしょう。

艶を感じさせる赤い唇は、描かれる少女のチャームポイントとして目を引きます。また、下唇には明るい色を乗せ、ぼかした輪郭で描くことにより、若く瑞々しい質感が表現されています。

さらに、絵のタイトルでもある真珠の耳飾りは、暗い背景に溶け込みそうになりながらも、光に照らされて浮かび上がっている表現方法が見事です。

代表的な人物画の作品【新古典主義様式】

ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠

ここからは、新古典主義の人物画を紹介します。新古典主義は、ギリシャやローマの古典芸術の復興とも言われており、18世紀半ばから19世紀初めにローマを中心に広まった美術や建築の様式です。

装飾性の高い宮廷美術だったバロック・ロココに対して、自然で写実的な芸術表現として新古典主義が始まりました。

ここでは、新古典主義の代表的な作品を以下の2作品から紹介します。

  • マリー・アントワネット
  • 玉座のナポレオン

それぞれの絵画の特徴や作者について詳しく見ていきましょう。

マリー・アントワネット

マリー・アントワネット
作者名エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン
所蔵ヴェルサイユ宮殿美術館
制作期間1783年頃
寸法113.0 cm × 87.0 cm (44.4 in × 34.2 in)
種類キャンバスに油彩

マリー・アントワネットの作者は、エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブランです。新古典主義を代表する画家であり、女性を気高く可憐で華やかに描く彼女の技法が、世間で高く評価されました。

彼女の表現技法や、彼女自身の美貌があってか、彼女は王妃の専属画家として抜擢されました。その中で描かれた作品が、マリー・アントワネットです。新古典主義ならではの、自然で写実的な作風は、王族だけでなく多くの人々を魅了したことでしょう。

玉座のナポレオン

玉座のナポレオン
引用:Musée du Louvre
作者名ドミニク・アングル
所蔵フランス軍事博物館
制作期間1806年頃
寸法259 cm × 162 cm (102 in × 64 in)
種類油彩、キャンバス

「玉座のナポレオン」は、フランスの画家ドミニク・アングルがナポレオン1世を描いた肖像画です。

皇帝としてのナポレオンが描かれており、戴冠式の衣装を着て、肘かけに象牙の玉が飾られた丸い背の王座に座っています。また、右手にはシャルルマーニュの笏、左手には正義の手の笏を持っていて、ゴージャスな雰囲気で描かれています。

まるで写真のような油彩に、多くの人々が魅了されたことでしょう。

代表的な人物画の作品【ロマン主義】

アルジェの女たち
引用:Musée du Louvre

ここからは、ロマン主義の人物画を紹介します。

ロマン主義は、18世紀末から19世紀前半に、ヨーロッパの影響を受けた諸地域で起こった精神運動のことです。これまでの作風とは異なり、恋愛賛美、民族意識の高揚、中世への憧憬といった特徴をもち、文芸・美術・音楽・演劇などさまざまな芸術分野に影響を与えました。

ここでは、ロマン主義の代表的な作品として「民衆を導く自由の女神」を紹介します。絵画の特徴や作者について詳しく見ていきましょう。

民衆を導く自由の女神

民衆を導く自由の女神

引用:Musée du Louvre

作者名ウジェーヌ・ドラクロワ
所蔵ルーヴル美術館
制作期間1830年
寸法259 cm × 325 cm (102 in × 128 in)
種類キャンバス、油絵

民衆を導く自由の女神は、ウジェーヌ・ドラクロワによって描かれた絵画です。1830年7月、市民によってブルボン朝のフランス王シャルル10世が倒されたフランス7月革命をテーマに描いたものです。

ロマン主義で描かれたこの作品は、絵の中央に大きく女性が描かれています。彼女が被っている帽子はフリジア帽とも呼ばれ、被った女神のマリアンヌがフランス国家の象徴となりました。

さらに、この絵に描かれているマリアンヌは、ドラクロワの愛人をモデルにしたとも言われています。

代表的な人物画の作品【写実主義様式】

両親の家のキリスト

ここからは、写実主義の人物画を紹介します。

写実主義とは、19世紀中頃にフランスを中心に文学や美術の分野で盛んになった芸術様式です。それまでの新古典主義やロマン主義への反動で、現実をありのままに再現しようという意向で広まりました。

交通網の整備や新聞・雑誌などの登場が引き金となり、絵画の鑑賞者が限られた権力者から一般市民にまで広がっていったのです。

ここでは、ロマン主義の代表的な作品として「落穂拾い」を紹介します。絵画の特徴や作者について詳しく見ていきましょう。

落穂拾い

落穂拾い
作者名ジャン・フランソワ・ミレー
所蔵オルセー美術館
制作期間1857年
寸法83.5 cm × 110 cm (32.9 in × 43 in)
種類キャンバスに油彩

広大な畑で3人の農婦が、腰をかがめて農作業に勤しんでいる「落穂拾い」は、フランスの画家ジャン=フランソワ・ミレーによって描かれました。この作品は、写実主義バルビゾン派の代表作の1つで知られるミレーの農民画です。

ミレーは、存命中にコローやルソーといったバルビゾン派の画家達に出会い、農民画の代表作を多数描きました。

「落穂拾い」では、収穫後の落穂を拾い集める3人の農婦を描いています。3人の農婦の背後には、大勢の人が刈り取った麦が高く積まれています。これらを空気遠近法によって表現することで、自然の中で懸命に生きている人間の尊厳を感じる作品です。

代表的な人物画の作品【印象派】

積みわら

ここからは、印象派の人物画を紹介します。印象派の作品は、日本でも評価が高く人気もあります。

印象派では、自分の目に映った映像を画面にそのまま表現したものです。これらの技法で描かれたモネら印象派の画家たちの絵は、当時一般の方に好意的に迎えられ、画家たち自身も「印象派」の名を使うようになっていきました。

ここでは、印象派の代表的な作品として「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」を紹介します。絵画の特徴や作者について詳しく見ていきましょう。

ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会

ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会
作者名ピエール・オーギュスト・ルノワール
所蔵オルセー美術館
制作期間1876年
寸法131 cm × 175 cm (52 in × 69 in)
種類キャンバスに油彩

「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」は、舞踏会を描いたルノワールの代表作品としても知られています。

色彩豊かで活気に満ちた印象派スタイルで描かれており、舞踏会の参加者たちをリアルに描き出すことに加えて、身体の動きや踊りのリズムを表現するために、独自の技法を用いています。

代表的な人物画の作品【ポスト印象主義様式】

ここからは、ポスト印象主義様式の人物画を紹介します。

ポスト印象主義様式は、1886年から1905年にフランスで活躍したスタイルです。ポスト印象派は、画家によって作品のスタイルが異なります。つまり、ポスト印象派は印象派の後を継ぐものではないのです。

いわゆる印象派旋風に影響を受けつつも、自分で新しいスタイルを確立していった画家たちを指した用語です。

ここでは、ポスト印象主義様式の代表的な作品として「灰色フェルト帽の自画像」を紹介します。絵画の特徴や作者について詳しく見ていきましょう。

灰色フェルト帽の自画像

灰色フェルト帽の自画像

引用:Wikimedia Commons

作者名フィンセント・ファン・ゴッホ
所蔵ファン・ゴッホ美術館
制作期間1887年
寸法44 cm x 37 cm
種類油絵 

灰色フェルト帽の自画像は、かの有名なフィンセント・ファン・ゴッホによって描かれました。

この作品は、点描画法としてゴッホの絵の中でも、新印象派的な要素の強い作品です。この絵で使用されている「点」は、ゴッホの顔を中心として、同心円状に施されており、ゴッホの独自性が見受けられます。

代表的な人物画の作品【表現主義】

生きる喜び

ここからは、表現主義の人物画を紹介します。

表現主義は、1900年代にドイツを中心に流行した美術や建築のスタイルです。特に表現主義の美術は、画家自身の心を表現するという点において、これまでの美術とは大きく異なります。

また、解剖学に基づいた人間の写実性を重視せず、感情のままに描写するというのが表現主義の特徴です。

ここでは、表現主義の代表的な作品として「叫び」を紹介します。絵画の特徴や作者について詳しく見ていきましょう。

叫び

叫び

引用:Wikimedia Commons

作者名エドヴァルド・ムンク
所蔵オスロ国立美術館
制作期間1893年
寸法91 cm × 73.5 cm (36 in × 28.9 in)
種類油彩

表現派の代表作として知られる「叫び」は、ノルウェーの画家、エドヴァルド・ムンクによって描かれました。

見ている人の不安を掻き立てるような作風は、一般大衆からも広く認知されています。

ムンクは生涯を通して自身の孤独・恐怖・不安を多くの作品に表現していますが、「叫び」は彼の作品の中でも群を抜いていると言えるでしょう。

代表的な人物画の作品【シュルレアリスム様式】

ここからは、シュルレアリスム様式の人物画を紹介します。

シュルレアリスム様式は、日本語で「超現実主義」とも訳されるスタイルです。1924年にフランスの詩人のアンドレ・ブルトンが提唱したことから始まり、ヨーロッパの絵画や文学において広まりました。

シュルレアリスム様式で描かれる作品は、夢のような世界観が人気を集め、今でも多くの方から人気を集めています。

ここでは、シュルレアリスム様式の代表的な作品として「記憶の固執」を紹介します。絵画の特徴や作者について詳しく見ていきましょう。

記憶の固執

記憶の固執

引用:Wikimedia Commons

作者名サルバドール・ダリ
所蔵ニューヨーク近代美術館
制作期間1931年
寸法24cm x 33cm
種類油彩、キャンバス

「記憶の固執」は、1931年にサルバドール・ダリによって描かれました。

この作品は、ダリの初期作品でありながらシュールレアリスムを代表する作品です。ダリは硬いものと柔らかいものの両極端のものに強く惹かれたと言われており、本来硬いはずの時計がチーズのように柔らかく溶けている表現が本作でも見られます。それぞれの時計が異なる時間を示しており時間の流れを表現しています。

人物画から時代の風潮を感じ取る

後ろ姿

この記事では、ルネサンス様式からシュルレアリスム様式まで、幅広い芸術様式に触れてきました。

絵画の中でも人物画は、表情や背景、表現技法などの様々な要素から、その時代の風潮を見ることができます。この記事を参考に、人物画の面白さに触れていただけたら幸いです。

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