アートリエ編集部がゴッホと浮世絵の関係に関して詳しく解説します。
ゴッホは独特な筆遣いや色彩感覚で知られており、浮世絵から多大な影響を受けた画家でもあります。「なぜ浮世絵に魅了されたのか」「どのような作品に影響を受けたのか」と思う方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ゴッホが浮世絵にハマったきっかけや影響を受けた作品を解説します。また、ゴッホが浮世絵と出会った背景や、ゴッホの絵が鑑賞できる美術館も併せて紹介します。
この記事を読めばゴッホと浮世絵の関係を理解できるので、なぜゴッホが浮世絵を取り入れたのか知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
ゴッホとは?
出典:ファン・ゴッホ美術館
フィンセント・ファン・ゴッホは、ポスト印象派を代表する、今なお多くの人々に愛されている画家です。1853年、オランダ南部のフロート・ズンデルトで牧師の息子として生まれましたが、順風満帆な人生ではありませんでした。
画商や教師・伝道師など多くの職を転々とするも、いずれも長続きせず、最終的に画家になることを決意しました。画家となったゴッホは日本の浮世絵に強い関心を持ち、 大胆な構図や色使いを取り入れた作品も多く生み出しています。
ゴッホが浮世絵に出会ったきっかけ|なぜ浮世絵に魅了されたのか
出典:ファン・ゴッホ美術館
ここからは、ゴッホが浮世絵に出会ったきっかけを解説します。ゴッホの独特な作風の背景を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
浮世絵に関して詳しく知りたい方は、下記の記事もぜひご覧ください。
【わかりやすく解説】浮世絵とは何か?その特徴と代表的な画家・作品をご紹介
ゴッホと浮世絵の出会い
ゴッホが浮世絵と出会ったのは、1886年にパリへ移住した時期です。当時のパリでは「ジャポニスム」と呼ばれる、日本美術への熱狂が広がっており、ゴッホも浮世絵に強く惹かれるようになります。
パリの自宅近くにあった古美術商サミュエル・ビングのギャラリーには、1万枚以上もの浮世絵が保管されており、ゴッホにとって重要な場所となりました。ゴッホはビングのギャラリーに頻繁に足を運び、浮世絵の研究をしていたそうです。
自らも400点以上の浮世絵を収集し、展覧会まで開催しています。浮世絵との出会いは、ゴッホの画風や創作活動に多大な影響を与えていくことになります。
ゴッホの生い立ちに関しては、以下の記事で詳しく紹介しています。ゴッホについてさらに詳しく知りたいという方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
ゴッホが魅入られた浮世絵の色彩と平面表現
浮世絵に見られる大胆な色彩表現は、ゴッホにとって西洋絵画にはない新鮮なものでした。歌川広重の「江戸名所百景」を模写した際は、景色を感性のままに描く魅力を発見します。
ゴッホは浮世絵を模倣する過程で、「空を黄色に」「麦畑を紫に」といった大胆な色彩の逆転を試み、独自の感性を追求しました。また、単純化した色で塗りつぶした広い面と、太い輪郭線を用いて新たな様式を追求しました。
浮世絵から学んだ表現を自らのスタイルに落とし込んでいます。
ゴッホにとって浮世絵は、色彩と平面表現を通じて自分の感性を解放し、画業を進化させる原動力となったのです。
ゴッホの有名なシリーズ「ひまわり」も浮世絵の影響を受けています。詳しく知りたい方は、下記の記事も併せてご覧ください。
ゴッホの『ひまわり』全作品を紹介!制作背景から各作品を細かく解説します!
大胆な構図とテーマの取り入れ方
ゴッホが浮世絵に強く引き込まれた理由の1つが、大胆で印象的な構図でした。浮世絵は庶民向けの商業美術として発展しており、表現したいモチーフを際立たせるための斬新な構図が特徴です。
たとえば、歌川広重の「富士三十六景 武蔵小金井」では、桜の老木の幹が画面全体を大胆に覆うように描かれています。このような構図のインパクトに触発されたゴッホは、作品における「視点の大胆さ」を取り入れるようになりました。
浮世絵の構図を取り入れることで、ゴッホの作品はより力強く、見る者に強烈な印象を与えるものへと変化します。
ゴッホが模写|影響を受けた浮世絵作品
出典:ファン・ゴッホ美術館
ゴッホは、浮世絵を模写し、自分の芸術に取り入れていました。ここでは、ゴッホが模写をした浮世絵作品を紹介します。
歌川広重の「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」
出典:文化遺産オンライン
「雨の中を走る橋(広重の模写)」
出典:ファン・ゴッホ美術館
ゴッホが模写した浮世絵の中でも、歌川広重の「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」は、夕立が降り出した瞬間の情景が巧みに描かれた模写として知られています。
ゴッホは広重の作品に触発され、独特な構図や大胆な色彩に魅了されました。模写の際は、色彩をさらに鮮やかに強調しています。この模写は、浮世絵がゴッホの創作に深い影響を与えたことを、象徴する作品といえるでしょう。
歌川広重「名所江戸百景 亀戸梅屋舗」
出典:文化遺産オンライン
「梅園の花図(広重の模写)」
出典:ファン・ゴッホ美術館
歌川広重の「名所江戸百景 亀戸梅屋舗」は、江戸時代の美意識を象徴する浮世絵で、ゴッホに大きな影響を与えました。この作品は、亀戸の古木である臥龍梅を大胆な遠近法で描き、広重の卓越した構図力と色彩美を存分に発揮しています。
ゴッホは、この浮世絵を模写することで、日本美術の技法を深く探求しました。模写においては広重の構図を忠実に再現しながら独自の色彩感覚を加え、幹の黒と灰色を赤や青に置き換え、鮮烈な印象を与えるよう工夫しています。
浮世絵に影響を受けたゴッホの作品
出典:ファン・ゴッホ美術館
ここからは、ゴッホが浮世絵から影響を受けて描いた作品を紹介します。
「遊女」
出典:ファン・ゴッホ美術館
渓斎英泉の木版画をもとに制作された「遊女」は、1886年に雑誌「パリ・イリュストレ」の表紙に再現された浮世絵を参考にしています。作品はグリッドを用いて図柄を拡大し、遊女の姿を大胆な色彩と輪郭で描きました。
遊女であることを示す帯や髪型の細部は、日本の伝統美を忠実に再現していますが、ゴッホ独自のアレンジも加えられています。
「タンギー爺さん」
ゴッホの「タンギー爺さん」は浮世絵への愛が詰まった肖像画で、画材屋の主人ジュリアン・タンギーの背景に、鮮やかな浮世絵が描かれています。ゴッホが描いたこの背景は、日本文化を理想郷としていたことを象徴しています。
タンギーは、ゴッホをはじめ多くの若手画家を支援した博愛精神の持ち主です。芸術家たちから「タンギー爺さん」と慕われていました。
「種をまく人」
出典:ファン・ゴッホ美術館
ミレーの「種をまく人」に影響を受けた作品であり、農民の労働の尊厳を描いています。彼はこのテーマで30点以上の絵画を制作しており、特にこの作品では、情熱的な色使いを通じて感情を強く表現しています。
「種をまく人」を描くことで、農作業の神聖さと希望を象徴的に表し、背景の色使いで強い感情を伝えました。
「ひまわり」
出典:ファン・ゴッホ美術館
ゴッホの代表作とも言える、『ひまわり』は、7枚制作されました。
複数ある中でもっとも有名なのが、ロンドン版の『ひまわり』です。
ゴーギャンと共同生活を送っていた1888年から1889年にかけて描かれたと考えられています。ヒマワリを描くことで、色のバリエーションと感情を巧みに表現しています。
ゴッホはこの作品で、単なる花の絵以上の感情を込め、浮世絵の影響を感じさせる大胆な構図と色使いを取り入れました。
「花が咲く果樹園、アルルの眺め」
出典:ファン・ゴッホ美術館
ゴッホの「花が咲く果樹園、アルルの眺め」は、日本の木版画から受けた影響が色濃く表れた作品です。特に、キャンバスの端で切り取られるような大胆な構図や被写体に焦点を当てる手法は、浮世絵に見られる特徴です。
ゴッホは、前景の木のねじれた枝を意図的に画面の端で切り取ることで、視覚的に動きと興味を生み出しました。
「レ・サント・マリー・ドゥ・ラ・メールのビーチの漁船」
出典:Wikipedia
ゴッホの「レ・サント・マリー・ドゥ・ラ・メールのビーチの漁船」は、浮世絵の影響が色濃く表れた1枚です。ゴッホは普段、海辺や絶景よりも日常の風景や人物画に興味を持っていましたが、浮世絵師の葛飾北斎に影響を受けて描かれたともいわれています。
この作品は南フランスの漁村サント=マリー=ド=ラ=メールへの小旅行の際に描かれたと言われています。
ゴッホ以外にもいた|浮世絵に影響を受けたモネ
出典:ファン・ゴッホ美術館
ゴッホ以外に浮世絵に強い影響を受けた芸術家の1人が、クロード・モネです。モネは30代のころから浮世絵の収集を始め、生涯で292点もの作品を集めました。
これらは単なるコレクションではなく、自身の作品における構図や色彩の参考として活用されたといわれています。浮世絵への影響が顕著に現れたのが、ジヴェルニーの「水の庭」です。
また、モネは1893年に自宅の隣地を購入し、日本風庭園を作り上げました。太鼓橋や藤棚、日本の植物を取り入れ、まるで浮世絵の世界を実現させたかのような空間を完成させています。
「ラ ジャポネーズ」
「ジヴェルニーの日本の橋と睡蓮の池」
「ポプラ並木」
浮世絵が19世紀ヨーロッパ芸術に与えた影響
出典:ファン・ゴッホ美術館
ここからは、浮世絵が19世紀ヨーロッパ芸術に与えた影響とジャポニスムの背景、日本とフランスの美術交流をみていきましょう。
ヨーロッパで評価された浮世絵とその背景
浮世絵がヨーロッパで注目され始めたのは、1850年代の日本開国以降であり、1867年のパリ万博がその人気を決定づけました。それ以前にも、葛飾北斎の「北斎漫画」がクッション材として西洋に渡り、浮世絵に対する関心は徐々に高まりつつありました。
特にパリ万博では、日本の文化や美術が一堂に会する機会となり、浮世絵はその象徴的な存在として西洋の人々の目に留まりました。万博をきっかけに、上流階級の間でも浮世絵が芸術として認められるようになりました。その理由の一つは、浮世絵の独特な構図や鮮やかな色使いが、西洋の伝統的な絵画とは一線を画していたことにあります。特に、浮世絵の大胆なデザインや視覚的なインパクトが、西洋のアーティストに新たなインスピレーションを与えました。
また、版画として大量生産され、価格が手ごろだった浮世絵が入手しやすかった点も背景にあるようです。
ジャポニスムとは?19世紀後半の流行
19世紀後半、西洋諸国で日本文化への関心が高まり、「ジャポニスム」と呼ばれる現象が広がりました。このような現象は、日本の芸術や文化が、ヨーロッパの芸術家たちに与えた影響を表しています。
また、長年鎖国状態だった日本が開国し、独自の美意識や工芸品が西洋社会に新鮮な衝撃を与えたという背景もあります。
印象派の画家であるゴッホやモネなどは、当時の浮世絵の構図や色彩に影響を受け、斬新さと高度な技術により多くの芸術家や上流階級の人々を魅了しました。
美術でつながっている日本とフランス
日本とフランスは、長い歴史を通じて共通のフィールドである美術でつながり続けてきました。特に、19世紀に浮世絵がヨーロッパに影響を与えたことが、この文化的な絆のきっかけとなっています。浮世絵は、当時の西洋アーティストに強い影響を与え、印象派をはじめとする多くの美術運動にも深い影響を与えました。
その後、時代が進むにつれて、フランスでは日本の漫画やアニメが大人気となり、両国の文化交流はさらに深化しました。毎年日本文化の祭典である「ジャパンエクスポ」が開催され、両国の文化交流の場となっています。
このように、浮世絵をはじめとする日本の美術や文化は、国境を越えて人々を結びつけ、今なお両国の文化的な絆を深める役割を果たし続けています。
ゴッホの作品が鑑賞できる主な美術館
出典:ファン・ゴッホ美術館
ここからは、ゴッホの作品を所蔵している美術館を紹介します。
ファン・ゴッホ美術館
ファン・ゴッホ美術館(Van Gogh Museum)は、フィンセント・ファン・ゴッホの作品を鑑賞するのにおすすめの美術館です。
コレクションにはゴッホの絵画や素描、手紙が世界最大規模で収蔵されており、ゴッホの芸術に対する深い理解が得られます。
展示はテーマ別や時系列に整理されており、ゴッホ自身の傑作はもちろん友人や同時代の画家たちの作品も並び、時代背景や関係性を感じながら楽しめます。
なお、ファン・ゴッホ美術館のチケットはオンラインでのみ購入可能で、予約制となっているため希望する入館日時が決まり次第早めの予約がおすすめです。
開館時間 | 9時00分~18時00分※時期によって変動あり |
観覧料 | 24ユーロ18歳未満:無料 |
休館日 | 年中無休 |
アクセス | アムステルダム中央駅からメトロまたはバスやトラムで約20分 |
HP | https://www.vangoghmuseum.nl/en |
※営業時間や入館料、休館日などの情報は変更になる場合があります。最新情報については公式ウェブサイトにてご確認ください。
クレラー・ミュラー美術館
出典:クレラー・ミュラー美術館
クレラー・ミュラー美術館はゴッホの代表作を間近で見られて、彼の芸術の魅力を深く感じられる美術館です。そのほかにもクロード・モネ、ジョルジュやスーラなど、巨匠たちの名作もそろっています。
美術館の展示は、デ・ステイル運動や未来派など、20世紀の革新を反映した作品群を含んでいるのが特徴です。さらに、美術館の広大な彫刻庭園では、アリスティド・マイヨールやジャン・デュビュッフェなどの芸術家の彫刻を楽しめます。
建築・自然景観・アートが融合し、充実した1日を過ごせるでしょう。
開館時間 | 10時00分~17時00分 |
観覧料 | 大人:13.50ユーロ 13歳~18歳:6.75ユーロ 0歳~12歳:無料 |
休館日 | 1月1日 |
アクセス | エーデ=ヴァーへニンゲン駅からバス18分 |
HP | https://krollermuller.nl/jp |
※営業時間や入館料、休館日などの情報は変更になる場合があります。最新情報については公式ウェブサイトにてご確認ください。
オルセー美術館
出典:オルセー美術館
オルセー美術館はパリを代表する美術館で、建物自体が歴史的建造物です。もともと1900年のパリ万国博覧会に合わせてオルレアン鉄道のために建設されたオルセー駅が、その後美術館になりました。
オルセー美術館では、19世紀のフランス美術や印象派の名作が集められており、ゴッホの作品も数多く収蔵されています。かつてのジュ・ド・ポーム美術館の収蔵品もオルセー美術館に引き継がれています。
開館時間 | 9時30分~18時00分(木曜日は21時45分まで) |
観覧料 | 一般:16ユーロ(オンライン購入)、14ユーロ(現地購入) 18歳未満:無料 |
休館日 | 月曜日 |
アクセス | ミュゼ・ドルセー駅からすぐ |
HP | https://www.musee-orsay.fr/en/visit |
※営業時間や入館料、休館日などの情報は変更になる場合があります。最新情報については公式ウェブサイトにてご確認ください。
ロンドン国立美術館
出典:ロンドン国立美術館
ロンドン国立美術館は、ヨーロッパ絵画の傑作を数多く所蔵している、世界有数の美術館です。館内には、ファン・エイクの「アルノルフィーニの肖像」、ベラスケスの「ロケビー・ヴィーナス」などの作品が展示されています。
また、ゴッホの「ひまわり」をはじめとする印象派の名作が並んでおり、ゴッホファンには必見の美術館といえます。
美術館は本館と新館(セインズベリー・ウィング)に分かれており、それぞれのエリアが年代別に構成されているのが特徴です。特に、西ヨーロッパ絵画の全時代を網羅しており、ルネサンス期から印象派まで各時代の重要な作品を一望できるのが魅力です。
開館時間 | 10時00分~18時00分(金曜日は21時00分まで) |
観覧料 | 無料 |
休館日 | 年中無休 |
アクセス | チャリングクロス駅から徒歩3分 |
HP | https://www.nationalgallery.org.uk/about-us |
※営業時間や入館料、休館日などの情報は変更になる場合があります。最新情報については公式ウェブサイトにてご確認ください。
ニューヨーク近代美術館
出典:ニューヨーク近代美術館
ニューヨーク近代美術館(MoMA)は、近現代美術の宝庫であり、世界中から訪れる観光客に深い印象を与えています。6階にわたる広大な展示空間には、15万点以上の作品が所蔵されています。
中でもゴッホの「星月夜」は必見の作品で、晩年に精神病院から見た空想上の風景が、大胆な描き方で注目されています。ゴッホは実際には存在しない景色を、日本の浮世絵に影響されながら表現しました。
MoMAは、単なる美術館ではなく、さまざまな文化的・社会的・政治的視点を尊重する場です。貴重な作品群を楽しみながら、時代を超えた芸術に触れられるでしょう。
開館時間 | 10時30分~17時30分(金曜日は20時30分まで) |
観覧料 | 大人:30ドル 60歳以上:22ドル 学生:17ドル 16歳以下:無料 |
休館日 | 年中無休 |
アクセス | Fifth Avenue/53rd Street stationから徒歩すぐ |
HP | https://www.moma.org/ |
※営業時間や入館料、休館日などの情報は変更になる場合があります。最新情報については公式ウェブサイトにてご確認ください。
まとめ
出典:ファン・ゴッホ美術館
ゴッホは日本の浮世絵に強く影響を受け、大胆な構図や色彩使いに魅了された画家です。浮世絵との出会いは、ゴッホの作品に顕著な変化をもたらし、「星月夜」や「糸杉」などの絵画に反映されています。
彼の作品にみられる斬新な構図や色の使い方は、浮世絵からのインスピレーションによるものです。この記事を参考に、ゴッホと浮世絵の関係を理解し、作品をより楽しんでください。
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