アートリエ編集部が、病院に飾る絵画について詳しく解説します。
病院では、患者の満足度向上や療養環境の改善を目的に、絵画を導入するケースが増えています。一方で「絵を飾ることでどのような効果があるのか」「病院にはどのような絵画を選ぶべきか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、病院に絵画を飾ることのメリットや選び方を解説し、エントランスや待合室など場所別におすすめの作品も紹介します。この記事を読めば、病院にぴったりの作品がわかるので、アート導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
病院に絵画(アート)を飾るのがおすすめの理由

病院に絵画を飾ることで得られる効果は、多岐にわたります。ここでは、病院にアートを飾るのがおすすめの理由を解説します。
- 印象が明るくなる
- 患者のケアにつながる
- スタッフのモチベーションアップにつながる
順に見ていきましょう。
印象が明るくなる
病院に絵画を飾ることで、空間が明るく感じられます。病院の雰囲気が明るくなることで、患者や来訪者からの印象も良くなり、地域住民からの好感度や信頼性の向上にもつながります。
滞在時間が長い待合室にアートを設置することで、訪れる人に温かく優しい印象を与えられるでしょう。
患者のケアにつながる
病院に絵画を飾ることで、患者の不安やストレスを軽減する可能性が研究で示されており、療養環境の向上につながると考えられています。
実際に、アートセラピーの研究は、1940年代から精神療法の一環として用いられており、アート鑑賞が不安やストレスの軽減につながることが複数の研究で報告されています。
このように、アートは患者を心理的にサポートし、療養環境の改善にも寄与すると考えられます。
スタッフのモチベーションアップにつながる
アートは日々激務に追われる医療現場において、医療スタッフに癒しをもたらし、働く意欲を高める効果も期待できます。海外では著名アーティストであるバンクシーが病院に作品を寄贈した事例もあり、近年の医療機関ではアートへの注目が高まっています。
さらに、アートは医療従事者と患者の会話のきっかけにもなり、コミュニケーションを円滑にするツールとしても選ばれています。
病院に飾る絵画(アート)の導入方法

病院にアートを導入する方法には、主に「購入」と「レンタル」の2つがあります。アートのサブスクリプション型サービスもありますが、空間に適した作品を選ぶ際には、専門知識を持つアートコンサルタントに相談するのがおすすめです。
ここではそれぞれの方法の特徴を解説します。アートの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
季節に合わせて気軽にレンタル
アートの導入にレンタルを利用すると、季節ごとに作品を入れ替えて設置できるため、患者やスタッフの満足度も高まります。また、レンタルは月額費用で気軽に導入でき、保管やメンテナンスの負担も軽減できる点も魅力です。
専門業者に依頼すれば、作品選定から設置まで一括で任せられるため、手間をかけずに空間を彩ることができます。
作品を購入する
病院の理念や空間に合った作品を長期的に展示したい場合は、購入がおすすめです。作品を購入すれば自院の資産として所有でき、設置場所の変更やメンテナンス時期も自由に決められます。
長期的な展示や使用を前提とする場合、購入の方がレンタルより費用対効果が高いケースもあります。購入時は、院内で好みの作品を選ぶだけでなく、アートコンサルタントに相談し、病院のブランディングに最適な作品を選定するのも効果的です。
病院に飾る絵画(アート)の選び方

病院に飾るアートを選ぶ際は、以下のポイントを押さえることが重要です。
- カラーが持つ効果で選ぶ
- 抽象画・具象画にこだわりすぎない
- 幅広い層のニーズに合う作品を選ぶ
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
カラーが持つ効果で選ぶ
絵画の色彩は、人の心理や生理的な反応に影響を与えるといわれています。
以下は、代表的な色の効果をまとめたものです。
| 色 | 効果 |
| 赤 | ・食欲増進 ・心拍数を上げる ・新陳代謝が促進される |
| オレンジ | ・消化や新陳代謝を良くする ・活気を感じさせる |
| 黄色 | ・判断力、記憶力、理解力が高まる ・運動神経を活性化させる |
| 緑 | ・心身のバランスが整う ・目を癒す効果がある |
| 青 | ・精神を落ち着かせる ・リラックスしやすい空気感をつくる |
| 紫 | ・血圧や脈拍を低下させる ・想像力、創造力を促進させる ・気持ちを鎮める |
| 茶色 | ・温もりを与える ・リラックス効果 ・安心感、安定感を与える |
| 白 | ・過去をリセットする ・清潔感や明るさを与える |
赤やオレンジなどの暖色系は交感神経を刺激し、活力や前向きな感情を引き出すとされています。一方で、青や緑などの寒色系は副交感神経に働きかけ、心身を落ち着かせるリラックス効果が期待できます。
病院に絵画を飾る際は、設置する場所や患者層に合わせて色のトーンを意識してみるとよいでしょう。
抽象画・具象画にこだわりすぎない
病院に飾る絵画を選ぶ際は、抽象画か具象画かという様式にこだわる必要はありません。
病院を利用する人のなかには、自由な表現の抽象画に惹かれる人もいれば、風景や静物を写実的に描いた具象画に安らぎを感じる人もいます。
重要なのは、絵画を設置することで「どのような雰囲気にしたいか」「患者にどんな気持ちになってもらいたいか」といった目的を明確にすることです。
病院のコンセプトや設置場所に合った作品を選ぶことで、空間全体の印象を整えることができます。
幅広い層のニーズに合う作品を選ぶ
病院には、子どもから高齢者まで幅広い年代や文化的背景を持つ人々が訪れます。
そのため、風景画や抽象画など複数のジャンルを組み合わせ、誰にとっても心地よい空間を目指すことが大切です。
また、病院の理念やコンセプトに調和する作品を選ぶことで、施設全体に統一感が生まれます。
アートリエでは、作品の選定から設置までワンストップでサポートしています。購入・レンタル・オーダーといったサポートも可能です。専門知識を活かして、貴院に最適なアート導入を提案します。
病院にぴったりの絵画を探している方は、ぜひアートリエにご相談ください。
>>法人向けアートの購入・レンタルのご相談はARTELIERにお任せください
【場所別】病院に飾るおすすめの絵画(アート)

病院内のスペースごとに、適したアートの雰囲気やテーマは異なります。
ここでは、代表的な6つの場所別におすすめの絵画と選び方のポイントを紹介します。
- エントランス
- 待合室
- 病室
- 廊下
- 小児科
- 心療内科
それぞれ詳しくみていきましょう。
エントランス
エントランスは、病院全体の第一印象を決める大切な空間です。
明るく温かみのある色調の作品を飾ることで、来院者の緊張をやわらげ、安心感を与えられます。
たとえば、自然の風景を描いた絵画は、森林や海岸線など美しい景色を通じて訪れる人に癒しと安らぎを提供します。
動物をモチーフにした作品は、来院者に微笑みをもたらし、親しみや温かさを演出することが期待できます。
色彩面では明るく温かみのあるカラーを選ぶと、希望や活力を感じさせる空間の演出につながります。
また、ポジティブな言葉や希望を感じさせるメッセージが添えられた作品を選ぶのも、来院者の前向きな気持ちを高める効果が期待できます。
エントランスにおすすめの絵画(アート)
「Lake to live the fairy」

アーティスト:神之浦由美
サイズ:45.2cm(縦) x 54.6cm(横)
購入価格:198,000円
レンタル価格:5,700円(月額)
作品ストーリー:クロアチア・プリトヴィッツェ湖群国立公園の湖の風景を描いた油彩画(DUO)です。妖精が住んでいるような美しい景色をお楽しみいただけます。原画に合わせた高級感あるアンティークシルバーの全面UVカットアクリル仕様のフレーム付きです。
開業・開店、新居のお祝いなどにもおすすめです。
待合室
待合室は患者が長時間を過ごす場所のため、落ち着いた雰囲気をつくるアートが適しています。
自然の風景や花・植物をモチーフにした作品は、穏やかな色調で心を和ませ、安心感を与える効果があります。
特に、花や植物を描いた作品は生命力や希望を象徴し、待合室全体を明るくポジティブな印象に導きます。心温まるテーマの絵画は、優しさや共感の感情を呼び起こし、長い待ち時間でも心を落ち着ける効果が期待できます。
また、平和や調和を感じさせる抽象画を取り入れることで、来院者の不安を和らげ、穏やかに過ごせる空間を演出できます。
待合室におすすめの絵画(アート)
「ラベンダーに染まる修道院」

アーティスト:神之浦由美
サイズ:43cm(縦) x 52.1cm(横)
購入価格:66,000円
レンタル価格:3,800円(月額)
作品ストーリー:フランス・ゴルドにあるセナンク修道院の風景を、透明水彩と作家がオリジナルで制作しているパステル、JESUSPASTEL(ジーザスパステル)の混合技法で描きました。
原画に合わせたライトブルーの木製フレーム付き。優しい色彩の作品です。飾った空間が豊かになりそうです。
病室
病室は患者が療養のために心身を休め、長い時間を過ごす場所のため、静かで穏やかな作品を選ぶことが大切です。森林や湖、海岸線などの自然風景を描いた絵画は、視覚的にリラックス効果をもたらし、安心感を与えます。静寂や平和を表現した作品は、心の安定をもたらし、回復への前向きな気持ちを支えてくれるでしょう。
また、柔らかな色調で描かれた動物や植物のモチーフも、穏やかな気持ちを引き出し、ストレスの軽減につながります。
病室におすすめの絵画(アート)

アーティスト:古山 拓
サイズ:39cm(縦) x 47cm(横)
購入価格:88,000円
作品ストーリー:船というモチーフが好きで、つい海辺を目指します。
この絵は北海に面した港町ウィットビーで描いた一枚。
ヨークシャー地方を取材旅していた時にゴールとなった町です。
漁船が係留されている港は、活気に溢れていました。
あえて紙の白地を残すことにこだわった作品です。
廊下
廊下は患者や職員が頻繁に行き交う場所であり、病院内でも特に動きの多い空間です。そのため、歩行中でも自然に目に留まり、穏やかな気持ちを誘う作品が適しています。
柔らかな色合いや淡いトーンの絵画は、移動中の緊張を和らげ、気持ちを落ち着かせる効果が期待できます。
柔らかな春の霞色を思わせる優しいグラデーションや、色和紙をコラージュした華やかな雰囲気のアートも適しています。
診察室や処置室へ向かう途中にふと目にすることで、不安な気持ちをやわらげることができるでしょう。
廊下におすすめの絵画(アート)
「Tengusa」

アーティスト:きじは
サイズ:45.5cm(縦) x 53cm(横)
購入価格:100,000円
作品ストーリー:ある知り合いのバンドのサウンドをイメージして描きました。
そのうちのメンバーのひとりが徳島の方だという事もあり、剣山を描きました。
小児科
小児科では、子どもが安心して楽しく過ごせる親しみやすい空間づくりが重要です。絵画を選ぶ際の色味は、ベビーピンクやベビーブルーなどのパステルカラーが効果的です。柔らかく優しい印象を与えられます。
ベビーピンクやベビーブルーなどのパステルカラーは、柔らかく優しい印象を与えるため、小児科の空間づくりに最適です。ペールトーンやライトトーンを取り入れることで、子どもだけでなく保護者も落ち着いて過ごせる雰囲気を演出できます。
また、動物やお花、ドット柄など、ポップでかわいらしいモチーフを取り入れた作品は、子どもの興味を引き、不安を和らげてくれます。
小児科の空間では、明るく前向きな印象を与える作品選びを意識すると良いでしょう。
小児科におすすめの絵画(アート)
「The arrival of good luck」

アーティスト:吉田美紀子
サイズ:45.5cm(縦) x 45.5cm(横)
購入価格:110,000円
レンタル価格:5,700円(月額)
作品ストーリー:爽やかな澄んだ空気に煌めく木の葉。
てんとう虫もやってきた。
明るい気持ちに幸運も訪れる。
アクリル絵具で描いています。
素敵な景色を見た時の感動を純粋な心の動きとして、シンプルな形に構成し表現しています。
シルバー色の部分は見る角度によって光の流れを感じられます。
メディウムを混ぜ塗り重ねている為、透明感のあるみずみずしい艶感と、立体感のある仕上がりになっています。
輪郭をはっきりさせた表現技法は、くっきりと鮮明に思い出されるその瞬間を強く表したかったからです。
心療内科
心療内科では、ストレスや不安を抱える患者の心理状態に配慮した作品選びが求められます。
アート鑑賞は、色彩や形のバランスによって脳の働きを整え、心の緊張をほぐす効果があるともいわれています。
日常生活で酷使されがちな左脳に対し、色彩や空間感覚を司る右脳を活性化させることで、心のバランスを整え、ストレスの緩和にもつながるとされています。
左脳・右脳のバランスをやさしく整えるような感覚で、穏やかなアートを取り入れるとよいでしょう。
心療内科に設置する作品は、明るい雰囲気や癒しを与えるテーマを基本としつつ、落ち着いた色味を使用した作品が適しています。
心療内科におすすめの絵画(アート)
「静慮(S-#16)」

アーティスト:&lemon
サイズ:33.3cm(縦) x 53cm(横)
購入価格:67,140円
レンタル価格:3,800円(月額)
作品ストーリー:植物は太陽とともに進化してきました。それは、光との重なり合いから生まれ、自然を形づくり、生命の循環の起点となってきました。地球という不規則的な規則の流れの中で、美しく力強く何層にも重なりあった色彩を織り成す植物を表現しました。
私たちと植物との関係を思い起こすきっかけとなる作品となれば嬉しいです。
病院に絵画(アート)を設置する際のポイント

病院にアートを導入する際は、次のポイントを意識すると、空間全体の印象をより効果的に整えることができます。
- 病院のコンセプトに合わせて作品を選ぶ
- アートコンサルタントに相談する
- 設置場所に合う作品を飾る
- 運用管理する
それぞれのポイントを順にみていきましょう。
病院のコンセプトに合わせて作品を選ぶ
病院にアートを設置する際は、施設の理念やコンセプトと調和する作品を選ぶことが大切です。病院が掲げるビジョンや診療方針に沿った作品を配置することで、施設全体に統一感が生まれ、患者や来訪者に一貫したメッセージを伝えやすくなります。
たとえば、地域密着型の病院なら風景画を、小児専門病院なら明るくポップな作品を選ぶといった工夫をすると効果的です。また、患者や職員に対して事前にアンケートをとることで、実際のニーズを把握できるでしょう。
アートコンサルタントに相談する
病院にアートを導入する際は、専門知識を持つアートコンサルタントへ相談するのがおすすめです。アートコンサルタントは、ニーズ把握から作品選定、展示計画の立案など豊富な経験を持っています。
また、病院が地域のアーティストや芸術団体と連携することで、地元文化を反映した作品の導入も可能です。専門家のサポートを得ることで、効果的かつ安全なアート導入が実現します。
設置場所に合う作品を飾る
アートを飾る際は、設置する場所に合う作品かどうかを慎重に考慮することが大切です。
空間の目的にそぐわない作品を飾ると、来院者に違和感や不快感を与えるおそれがあります。
また、設置場所を選定する際は安全面と衛生面への配慮が不可欠です。作品の落下を防ぐ適切な固定方法や耐荷重設計を専門業者と検討し、事故リスクを最小限に抑えましょう。
患者が直接触れる場所では、定期的なメンテナンスを実施し、院内の衛生状態を保つことが重要です。
運用管理する
アートの効果を持続させるには、導入後の継続的な運用管理も欠かせません。定期的に点検をして埃や汚れを適切に除去することで、美観と衛生状態を保てます。
また、季節やイベントに合わせてテーマ変更や作品を入れ替えることで、訪れるたびに新たな発見がある魅力的な空間を維持できます。
病院に絵画(アート)を飾る際の注意点

病院にアートを導入する際は、医療機関特有の環境に配慮した慎重な対応が必要です。以下の注意点を押さえておきましょう。
| 衛生管理の徹底 | 額縁やガラス面を定期的に清掃し、埃や汚れを防ぐことで感染対策にも配慮します。 |
| 安全性の確保 | 耐震性を考慮した固定具を使用し、落下や破損のリスクを最小限に抑えましょう。 |
| 心理的配慮 | 色調やテーマが患者の不安を刺激しないよう、文化的背景や感受性に配慮した作品選びを心がけます。 |
| 病院の方針遵守 | 導入前に施設のガイドラインや安全基準を確認し、適切な手続きを経て設置を進めることが大切です。 |
こうした注意点を頭に入れながら絵画を飾ることで、職員や患者に対する癒しの空間づくりにつながります。
病院に絵画(アート)を導入するならアートリエにお任せ

病院にアートを導入する際は、衛生管理や安全性、患者への心理的配慮など専門的な知識が必要です。適切な作品選びに迷う場合は、業者に委ねるとスムーズに進みます。
アートリエでは、豊富な実績を持つ専門スタッフが作品選定から設置、運用管理まで一貫してサポートします。5,000点以上の多彩なラインナップから、貴院のコンセプトや設置場所、予算に最適なアートの提案が可能です。
待合室には癒しの風景画、小児科には明るいポップアート、病室には穏やかな抽象画など各エリアの目的に応じた選定にも対応しています。購入からレンタル、オーダーまでサポート可能なため、ぜひお気軽にご相談ください。
>>法人向けアートの購入・レンタルのご相談はARTELIERにお任せください
まとめ

この記事では、病院に絵画を飾るのがおすすめの理由を解説しました。
病院にアートを導入することは、患者の療養環境を改善し、医療の質を高める効果的な手段です。アートを導入する際は、色彩の持つ心理効果や場所に応じた作品選びを意識することが重要です。
この記事を参考に、患者満足度の向上や療養環境の改善につながるアート導入をぜひ検討してみてください。
アートリエでは、法人向けに最適なアートの選定やレンタル・購入をサポートしています。病院やクリニックへのアート導入を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。










